【法改正の概要】
(1)建築基準法の改正概要
建築確認対象の改正ですが、1つ目として、これまでは建築確認が不要であった都市計画区域外等の物件について、平屋建て、かつ延床200㎡以下の建築物以外は、全て建築確認対象となりました。これによって、都市計画区域外の建物の購入者が、今後、増改築等を行おうとすると、その内容によっては建築確認が必要となり、元々建築確認の無い建物も多いことから、それら建物に対する増改築等が認められないことも想定されます。
2つ目として、通常取引されている都市計画区域内においても、建物の規模によって必要な構造計算の義務や、仕様規定の一部審査省略が無くなりました。これまでは、構造計算については、3階以上もしくは延床500㎡超の建物だけが対象でしたが、今回の改正により、延床300㎡超の建物については全て構造計算が必要となり、2階以上や平屋の200㎡超300㎡以下の建物についても、仕様規定の一部審査省略が無くなりました。
元々、一部審査省略により建築された建物(200㎡以下の平屋建てを除く)や、構造計算無しで建築された300㎡超の木造建築物は、増改築を行おうとすると、適合性検査のため設計図書の提出を求められる可能性が高く、設計図書が無い場合、構造関係の適合性等が判定できず、結果増改築ができない可能性があります。
(2)建築物省エネ法の改正概要と注意点
令和7年4月以降は、住宅か非住宅かにかかわらず、全ての新築物件には、省エネ基準適合義務が課せられることとなりました。
改正前は、住宅については、延床300㎡以上の建物の場合は届出、それ以下は省エネ基準の説明義務はあったものの省エネ基準への適合義務はありませんでした。
法改正の背景には、各国が目指すカーボンニュートラルが根底にあり、その実現のため、全ての新築物件に、省エネ基準適合義務が課せられることとなりました。
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
建物省エネ法の更なる改正も今後予想されますので、法改正については、十分ご留意ください。